【スタミュ考察・キャラクター編 #03】 誇りと覚悟は誰が為に:天花寺翔
お久しぶりです。つい最近になってアンシエントの先輩たちがいまの自分と同い年だということに気づいて戦慄しました。 中の人たちがベテラン*1ばっかですっかり忘れてました…………嘘でしょあれで大学3年生か~~~~大人だなあ…………でも(彼らってプロのミュージカル俳優を目指すひとたちだからインターンのことなんて考えなくていいんだろうなあ)などと思ってしまったのはほんとうにすみません()
さて、今回は「スタミュ考察・キャラクター編」の第3回として、天花寺さんの「天下の花」*2について触れていこうと思います。
「天下の花」/天花寺翔(CV.細谷佳正)
第3幕の「天下の花」で彼が歌うのは、「梨園の貴公子としての誇りと舞台への覚悟」です。第3幕の序盤まではそのプライドとプロ意識の高さから、初心者の星谷くんに対してキツく当たっていましたが、その後は面倒見の良さを発揮してチームの支柱になっていきます。
多用される熟語の当て字/歌舞伎に関する単語
余談
梨園の貴公子としての誇りと覚悟
大サビ
伝統が綴る足跡濁りなき意志で臨もう惑い脱ぎ捨てて立つ晴れ舞台
2番Bメロ
いまが錦飾る瞬間
「天花寺翔」のルーツ
2番サビに登場する「叢雲(むらくも)」について調べた際、関連項目のひとつに「月に叢雲花に風(意味:世の中の好事には、とかく障害の多いこと*13)」という慣用句がありました。なるほど、そういう障害を越えて立ち向かっていくという決意が「叢雲」には表れているのかなあ、と電子辞書を眺めていると、もうひとつ「天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)」という言葉が出てきました。これは日本神話においてスサノオノミコトがヤマタノオロチを倒したときにその尾から出た剣のことで、通称としては「草薙の剣」という名前になります。
まあさすがに後者は考えすぎかなあと思っていましたが、2期第8幕で天花寺さんの口から「天岩戸(あまのいわと)」の例え話がさらっと出てきたので、前述通り単に頭が良いからなのか、それとも日本神話が歌舞伎の題材にあるのかなのかが気になったので、ものすごく軽~~~~い気持ちで「歌舞伎 日本神話」で検索しました。
その結果、「ヤマトタケル」という演目の紹介ページがヒットしました。このページにある記述が衝撃的だったので、こちらに引用します。
「スーパー歌舞伎」*14の記念碑である第一作。
三代目市川猿之助が梅原猛の原作を得て、日本神話の日本武尊(やまとたける)伝説を舞台化し、新たな歌舞伎のジャンルを産み出して記録的な大ヒットとなった傑作。(中略)「天翔ける心、それが私だ!」。場内に響き渡る声が美しく感動的な幕切れとなります。
終わりに
*1:アンシエントを演じる子安武人さん(遥斗さん役)、森川智之さん(魚住先輩役)、置鮎龍太郎さん(早乙女先輩役)、保志総一朗さん(双葉先輩役)の4人の平均年齢は48歳、平均芸歴(?)は26.5年(※年齢・芸歴は各人のWikipedia調べ)……いや待ってやっぱりめちゃくちゃ先輩じゃないですか……
*2:歌詞の全文はこちらから:天下の花 天花寺翔(CV.細谷佳正) - 歌詞タイム
*3:第1期DVD・Blu-ray第3巻特典ドラマCD「スタミュ in 健康診断」より。天花寺さんは学年首席である月皇くんと並んで頭が良い(空閑くん談)そうです。にしてもここで明かされた彼の定期試験の点数、下が89点で上が99点ってすごすぎませんかね……
*6:歌舞伎で太鼓が使用されることに由来するのではないかと思ったため、この分類に入れました。
*8:歌舞伎事典:顔見世(顔見世公演)|文化デジタルライブラリー
*10:歌舞伎 今日のことば・ことばで知る歌舞伎の世界 並木正三 その2 | 歌舞伎美人(かぶきびと)
*12:そういえば第3幕では、天花寺さんとタヴィアンとのやりとりを聞いて、彼が寮の部屋に女性を連れ込んでいるのではと那雪くんが勘違いする描写がありましたが、それが那雪くんではなくて野暮な一般生徒だったら週刊誌に情報を売られていたかも、などと考えてしまいました……命拾いしてるよ天花寺さん……
*14:現在では四代目市川猿之助さんが引き継ぎ、「スーパー歌舞伎II」として上演。2015年初演の「ワンピース」の公演が各種メディアで大きく報じられていたのは記憶に新しいですね
*16:http://www.kabuki.ne.jp/kouendb/perform/search.php?kr=14610:歌舞伎データベースでの「ヤマトタケル」の検索結果。2012年の新橋演舞場「六月大歌舞伎」の夜の部が該当公演です
*17:連続テレビ小説 天花 | NHK名作選(動画他) :2分32秒から香川さんが登場します
*18:2002年度NHK大河ドラマ「利家とまつ~加賀百万石物語~」にて
*19:2013年7月期放送のTBSドラマ「半沢直樹」の大和田常務のこと。わたしはドラマ未視聴ですが、強烈なインパクトがあったのでよく覚えてます
*20:詳しくはこちらをご覧ください→香川照之の昆虫すごいぜ! | NHK for School